【アーカイブ】乗りつぶし日記 その10 ~18切符弾丸ツアー記 3~

2007.12.11 18切符紀行1日目 その3

橋本駅のベンチで腹を満たし、次の電車を待つ。13:30分発和歌山行き
今度の電車も105系だ。列車は和歌山まで紀ノ川沿いを走る。折角なので川の見えるほうの席を陣取ったが・・・腹を満たしたせいか眠気が襲う。気がつくと列車は既に田井ノ瀬駅和歌山のひと駅手前だ。

程なくして和歌山駅へ到着。14:33分。すぐに次の列車の到着ホームへと向かう。
次の列車は14:46発の御坊行き。結構早めに入線して来たので車内に入る。今度の電車は117系

かつては『新快速』で京阪神を疾走していた電車だが、主役の座を221系・223系に譲り、現在は京阪神周辺のローカル運用が多い。が、転換クロスシートで快適な車内は健在である。当然の如く、海側の席を陣取る。

今回の旅、主目的は紀伊半島一周。早く海が見たい。

そんな気分をあざ笑うかのように、車内アナウンス。『阪和線の電車が遅れておりますので、接続待ちの為、この電車も発車少々遅れます・・・』
ホントに今日はこんなのばっかり(+_+)

数分遅れで列車は出発。程なくして高架化された海南駅に到着。まだ海は見えない。次の冷水浦(これで『しみずうら』と読む)を過ぎた辺りから、やっと海が見えてきた。
が、この辺りは工業港の風情である。

『なんとなく海が見たい』
なんだか、鉄腕DASHのソーラーカーで日本一周の気持ちがよく分かる。

冷水浦を過ぎた辺りから、沿線に柿や柑橘の木が目立ち始め、紀州にやってきたんだと実感がわき始める。
しかし、線路は海から遠ざかってしまった。高校野球で一世を風靡した箕島藤並へと列車は進む。

藤並駅では、2002年いっぱいで営業を廃止してしまった『有田鉄道』の駅舎がそのまま残っていた。取り壊すにも費用がかかるから、ということだろうが、藤並駅は駅舎の改良工事が進められていて、それとあわせて『有田鉄道』の遺構も姿を消してしまうことになるのだろうか。

そういえば、海南駅は1994年に廃止された『野上電鉄』との接続駅だったが、こちらはさすがに13年もたち、駅も高架化されたため車窓からは、その面影を見ることは出来なかった。

結局、冷水浦以降はあまり海を拝めないまま、御坊に到着。ここでしばらく寄り道して、こちらもいつ廃止されてもおかしくないローカル線『紀州鉄道』に乗ってみることにした。

御坊駅0番ホームが、紀州鉄道に割り当てられているのだが、そこにやってきたのは小型のレールバス。

かつてはマニュアルミッションの車両もあったそうだが、現在運用されているのはオートマチック車である。途中駅の紀伊御坊駅で古めかしい留置車両があったが、それが噂のMT車だったのかも。

とはいえ、4輪のレールバスはスピードも出せないし、何より乗り心地が非常に悪い。本当にその辺を走っている路線バスと、乗り心地も車内の雰囲気も変わらない。

まあ、それでも紀州鉄道は、御坊市の中心部と御坊駅を結ぶという使命を背負って黙々と運行されているわけだ。

レールバスは10分足らずで終点の西御坊駅に到着。古く狭い駅舎に歴史を感じる。

かつて、紀州鉄道の路線はもう少し先の日高川河口付近まで路線が延びていたらしいが、今は廃止され、排水溝で分断されたレールがその面影をかすかに残している。

西御坊駅は住宅街の真っ只中。隣には鮮魚店があり、少し歩くとツタヤ大型スーパーが並ぶ。予定では1本列車をやり過ごす予定だったが、見るものの無いので、乗ってきた列車にそのまま乗り込み折り返す。帰りの列車は貸切状態だ。実際のところ、この紀州鉄道は完全な赤字ローカル線。鉄道事業だけを見ればいつ廃止されてもおかしくないのが現状だ。

しかしながらこの紀州鉄道、会社としての実情は別荘販売などの『不動産事業』がメインで、鉄道部門での赤字などは、不動産事業での利益で充分に償還できるようだ。
何よりも『鉄道事業者』というのは非常に『信用度』が高いため、企業ブランドの確保のために鉄道を走らせているようなものだそうだ。

御坊駅に戻ったのは16:55。次の紀伊田辺行きの電車は17:24まで待たねばならない。予定では紀伊田辺で再び乗り換えて、白浜駅到着は18:49。

宿の方には到着が19時を過ぎることを既に伝えてはいるが、民宿で夕食つきなので、あまり遅いと支障が出そう。ということで、携帯を開いて『えきから時刻表』のサイトへアクセス。紀伊田辺でちょうどいい時間に特急電車がある。

しかし、18切符では特急に乗れないため、紀伊田辺~白浜間は乗車券+特急料金が余計な出費となる。時間をとるか、安上がりを取るか・・・

急ぐ旅でも無いのだが、あえて苦行をするような旅でもない。

何よりも、時間は既に17時過ぎ。車窓はもう楽しめない。

御坊駅の発車は予定通り17:24。既に日は落ちた。夏場であれば、この先印南~切目~岩代辺りが絶好の車窓だったのだが、もう暗闇で見えない。

私は基本的に『乗り鉄』に分類される人種なのだが、車窓が見えない列車は好きじゃない。その上、あまり気の長い方ではない・・・

ってことで、紀伊田辺に到着するや否や、改札を出て特急券の券売機へ。自由席で820円なり。

ところがである。急ぐために特急券を買ったのに、なんと『くろしお23号』は10分以上遅れて到着。これじゃあ、次の普通電車と大差ないじゃん・・・とほほ。

本当に今日の旅はダイヤの遅れに見舞われまくりでした。

結局、宿に着いたのは19時ごろ。

ひなびた民宿でしたが、料理もそれなりに美味しく頂き、天然温泉もいい感じだったので良しとしましょう。

<1日目 終わり>

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