【アーカイブ】SEOって何よ??

さて、SEOという言葉はITに携わっていると、特にWebに接しているとよく聞く。
技術者でなくても、企業の広報や情報発信を担当していれば、良く聞く言葉だろう。
一時ほどではなさそうだが、まだまだ『SEO』が魔法の言葉のようにひとり歩きしている現場もあるかもしれない。(”SEO対策”というものをやれば、Webショップが大繁盛して、売上が急増!という幻想だとか。)

そもそも、”SEO”というのは、英単語を省略した言葉でしか無く、正確には”Search Engine Optimization”という英語の略。『検索エンジン最適化』という事になる。
GoogleやYahoo!といった、主要な検索エンジンに対して、検索結果の中で適正な順位で表示してもらうように工夫をこらす様々な施策を行うことを指している。

検索エンジンのビジネスモデル

これをザックリ言ってしまうと、『検索結果に対する、利用者の満足度を上げること』に尽きる。
より多くの利用者に自社の検索エンジンを利用してもらうことで、そこに広告を掲載したい広告主から広告料収入を得る、というのが検索エンジンのビジネスモデルになる。

まずは『たくさんの利用者に検索エンジンを利用してもらう』というのが最重要な要件なので、利用者が入力した『検索キーワード』に、より関連の強そうなサイトを、関連の強そうな順位で並べて表示する必要がある。
ここで『見当違い』なサイトが検索結果に出てきてしまうと、検索エンジンの評価が下がって、利用者も減り、広告料も減るという具合だ。

だからこそ、検索エンジンにとって『検索アルゴリズム・順位決定アルゴリズム』は『秘中の秘』であり、日々精度をあげるための改善を行っている。

この点を認識していないでSEOを行うと、一時的には成果が出るかもしれないが、後で泣きを見ることになるわけだ。

利用者目線で例を挙げると、
『今度の週末は金閣寺で紅葉を見に行こう!けど、どうやって行くんだっけ?』
→検索エンジンで『金閣寺 行き方』と入力して調べる。

これで、検索結果に「京都駅から市バス205系統乗車。金閣寺道バス停下車。西へ徒歩5分」という情報を掲載しているページがすんなり出てくればOK。その利用者は次も同じ検索エンジンを使うでしょう。

それがすんなり出てこずに、『金閣寺に行った日記』が出て来たら
「いや、感想が聞きたいわけじゃねーし」となるが、まあ、目的の場所ではあるし、日記の中に生き方も紹介されているケースもあるから、大目に見てもらえるかもしれない。
しかし、『銀閣寺に行ってみた』とかいう記事が出てきたら、「そっちじゃねーよ!」となる。そもそも場所も違うし。まあ、同じ京都市内だから、まだ許そうという寛容な利用者もいるかもしれないが。
ただ、さすがに『ホテル金閣』なる宿泊施設があったとして(しかも京都府内ですらない)、そっちが出てきたらさすがに愛想を尽かされるだろう。もうその利用者はその検索エンジンを使わないかもしれない。

そうなっては困るから、検索アルゴリズムは日々改善されていくし、秘中の秘なわけです。

*余談だが、京都のとある場所の情報を知ろうとしているのに、『東京都』の店やスポットの情報が出てくることはたまにある。改善はされてきているはずだが、キーワードの組み合わせ次第ではまだ残っているかもしれない。

検索エンジンの役割とSEO

検索エンジンの役割は今更解説する必要もないだろうが、利用者が目的のWebサイトを見つけるための重要な入り口の役目を果たしているわけだ。
昔は自発的に検索エンジンのWebサイトを訪問しないと使えなかったが、最近のブラウザは『アドレス』欄にキーワードを入力すると、自動的に検索エンジンを使うようになっているから、入り口としての重要度はさらに増してきている。

そして、インターネット上で発信されている情報はものすごいスピードで増えているから、『検索結果』もキーワードの組み合わせによっては、数十万~数百万単位の大量の件数が出てくることが多い。
ある程度絞り込んだつもりでも、それでも数百~数千件というのもザラにある。

そんな件数を1ページに納めることは物理的に無理があるから、ある程度の件数でページを分けるのだが、出てきたページを全部確認する利用者はまずいない。利用者がどれだけ情報を欲しているか、逼迫しているかにもよるが、よほど逼迫していなければ、せいぜい数ページ。多くの利用者は1ページ目しか見てくれない。

だから、Webサイトを使って、情報を発信する、ビジネスを行う立場で見れば、検索エンジンがより上位に自分のサイトを位置づけてくれるかが非常に重要になるわけで、だからこそSEOに関する様々な試みが行われている。

SEOの効果

検索エンジンは検索結果の質を上げたい、各Webサイト側は自分の検索順位を上げたい、というともすれば相反する思惑のせめぎあいになりかねないから、SEOのテクニックに『王道』は無いと考えておいたほうが良い。ある時点では通用したテクニックが、ある日突然通用しなくなる、ということもよくあるからだ。
また、検索される機会の多いキーワードであれば、競合も激しく、ライバルが先にSEOを行っている場合も多い。
これまでの実績という要素が加味されている可能性も十分にありえるうえ、検索エンジンはインターネット上に『ロボット』を巡回させて情報を収集しているので、Webサイトが新しく出来た、あるいは内容が更新されてから、それを実際に検索エンジンが知るまでにはタイムラグが発生する。一概にタイムラグがどのくらいかは分からないが、SEOを行ったからといって、直ぐに効果が出るという期待はしないほうが良い。
*一般的には数週間~数ヶ月は効果が出るまでに時間がかかると言われている。

だからといって、Webサイトを活用して情報発信やビジネスを行うのであれば、手をこまねいて待っていては、似たようなコンテンツの中に埋もれてしまう。『王道』も『即効性のある手法』も無いからといって、何もしなければ『機会損失』が大きくなるばかりだ。費用対効果は考えないといけないが、何もしないというのはあまりにも消極的な選択肢だろう。

かといって、誇大広告におどらされるのもいけない。

『王道』はないと言っておいてなんだが、実は検索エンジンとWebサイトの利害が一致する点がある。
それが『Webサイトの訪問者(=検索エンジンの利用者)の満足度を第一に考える』という点だ。
そのためには『コンテンツの質』であったり、『使い勝手や機能性』を向上させることを再優先に考え、長い目で見て地道にサイトを育てていくことが、実は一番『王道』に近い方法だったりする。

とはいえ、ビジネスでは悠長に構えていられないことも多いし、短期間で成果を挙げなければいけないこともある。
だから、効果が一時的で持続性がなくてもいいから、短期間に成果を上げたいというニーズもあるし、そういったニーズに応えることをビジネスとしている事業者も存在する。

正直、どっちが正解かなんて分からないが、何が正解かも人それぞれだというのは確かだろう。

ただ『人間にも検索ロボットにも優しいサイト』というのが、大事なポイントなんだろうとは思う。

コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA